试译部分

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金色枫华 2016年12月19日 00:08
無題 ※(ローマ数字1、1-13-21) こひ人よ、おまへがやさしくしてくれるのに、 私は強情だ。ゆうべもおまへと別れてのち、 酒をのみ、弱い人に毒づいた。今朝 目が覚めて、おまへのやさしさを思ひ出しながら 私は私のけがらはしさを歎いてゐる。そして 正体もなく、今茲(ここ)に告白をする、恥もなく、 品位もなく、かといつて正直さもなく 私は私の幻想に駆られて、狂ひ廻る。 人の気持ちをみようとするやうなことはつひになく、 こひ人よ、おまへがやさしくしてくれるのに 私は頑(かたく)なで、子供のやうに我儘(わがまま)だつた! 目が覚めて、宿酔(ふつかよひ)の厭(いと)ふべき頭の中で、 戸の外の、寒い朝らしい気配を感じながら 私はおまへのやさしさを思ひ、また毒づいた人を思ひ出す。 そしてもう、私はなんのことだか分らなく悲しく、 今朝はもはや私がくだらない奴だと、自(みづか)ら信ずる! ※(ローマ数字2、1-13-22) 彼女の心は真つ直い! 彼女は荒々しく育ち、 たよりもなく、心を汲んでも もらへない、乱雑な中に 生きてきたが、彼女の心は 私のより真つ直いそしてぐらつかない。 彼女は美しい。わいだめもない世の渦の中に 彼女は賢くつつましく生きてゐる。 あまりにわいだめもない世の渦のために、 折に心が弱り、弱々しく躁(さわ)ぎはするが、 而(しか)もなほ、最後の品位をなくしはしない 彼女は美しい、そして賢い! 甞(かつ)て彼女の魂が、どんなにやさしい心をもとめてゐたかは! しかしいまではもう諦めてしまつてさへゐる。 我利々々で、幼稚な、獣(けもの)や子供にしか、 彼女は出遇(であ)はなかつた。おまけに彼女はそれと識(し)らずに、 唯、人といふ人が、みんなやくざなんだと思つてゐる。 そして少しはいぢけてゐる。彼女は可哀想だ! ※(ローマ数字3、1-13-23) かくは悲しく生きん世に、なが心 かたくなにしてあらしめな。 われはわが、したしさにはあらんとねがへば なが心、かたくなにしてあらしめな。 かたくなにしてあるときは、心に眼(まなこ) 魂に、言葉のはたらきあとを絶つ なごやかにしてあらんとき、人みなは生(あ)れしながらの うまし夢、またそがことわり分ち得ん。 おのが心も魂も、忘れはて棄て去りて 悪酔の、狂ひ心地に美を索(もと)む わが世のさまのかなしさや、 おのが心におのがじし湧きくるおもひもたずして、 人に勝(まさ)らん心のみいそがはしき 熱を病む風景ばかりかなしきはなし。 IIII 私はおまへのことを思つてゐるよ。 いとほしい、なごやかに澄んだ気持の中に、 昼も夜も浸つてゐるよ、 まるで自分を罪人ででもあるやうに感じて。 私はおまへを愛してゐるよ、精一杯だよ。 いろんなことが考へられもするが、考へられても それはどうにもならないことだしするから、 私は身を棄ててお前に尽さうと思ふよ。 またさうすることのほかには、私にはもはや 希望も目的も見出せないのだから さうすることは、私に幸福なんだ。 幸福なんだ、世の煩(わづら)ひのすべてを忘れて、 いかなることとも知らないで、私は おまへに尽せるんだから幸福だ! ※(ローマ数字5、1-13-25) 幸福 幸福は厩(うまや)の中にゐる 藁(わら)の上に。 幸福は 和める心には一挙にして分る。   頑(かたく)なの心は、不幸でいらいらして、   せめてめまぐるしいものや   数々のものに心を紛らす。   そして益々(ますます)不幸だ。 幸福は、休んでゐる そして明らかになすべきことを 少しづつ持ち、 幸福は、理解に富んでゐる。   頑なの心は、理解に欠けて、   なすべきをしらず、ただ利に走り、   意気銷沈して、怒りやすく、   人に嫌はれて、自らも悲しい。 されば人よ、つねにまづ従はんとせよ。 従ひて、迎へられんとには非ず、 従ふことのみ学びとなるべく、学びて 汝が品格を高め、そが働きの裕(ゆた)かとならんため!

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